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ホームステイ
私がホームステイしたおうちは、Appenlgren夫妻と娘のナタリーがいる家だった。
ホストファザーは、体格のいいお父さんで肩から手の甲にまで見事な刺青を入れている人だった。
ホストマザーは、ショートヘアの良く似合う優しい人で、料理がとても上手な人だった。
娘のナタリーは、髪を黒く染めたとてもチャーミングな人だった。


家はごく一般的な家で、ベットルームが3つリビングとキッチンがあった。

前にも述べたが、ホストマザーは料理の上手な人で、ほぼ毎日夕食を作ってくれるのだがいつもメニューが違う。
ラム肉を出してくれたり、ハンバーガーだったり、チキンが好きだと言ったらよくチキンを焼いてくれた。
デザートも手作りして出してくれた。 これがまたレパートリーが豊富で、特にお気に入りだったのがアップルパイだった。
こちらの人は、カロリーの高いものが好きなのか、ケーキにアイスクリームを添えて出してくれた。
その組み合わせは、日本にいた頃私の中では無かったのだが意外と美味しい。
アイスクリームの冷たさが、ケーキの甘さを少し押さえてくれているようで取り分けられた分は全て食べていた。
日本人は遠慮をすることを美しいとしているが、少なくても私は喜んで食べていた。 甘いものはどちらかというと苦手なのだが…

ホストファミリーは私に4畳半ほどの部屋を用意してくれていた。
ベットと小さなクローゼットがあり、机も用意してくれていた。 音楽を聴きたいだろうとラジカセまで用意してくれた。
家の中は禁煙だったが、ホストファザーが愛煙家だったおかげで、私とホストファザーは良くテラスで一服しながら話をすることが出来た。
ホストファザーはとてもシャイな人だった。 若い女性と話をするのは苦手な人だったと思われる。
なぜなら、ホストマザーとは再婚で、娘はホストマザーの連れ子だったのだ。再婚したのは数年前で、2人には子供がいない。
正確に言えば、ホストファザーは初婚で子供がいないといったほうが判りやすいだろう。
そんな訳で、私と話をするときにはいつも言葉を選んでいるようだったが、いつも優しくて力持ちで、頼れるホストファザーだった。

このホストファミリー、私を週末に出かけに連れて行くことはしなかった。
別に嫌われていたわけではない。 貧乏なわけでもない。 だが夫婦で出かけることはあっても、私を連れて行くことはなかった。
最初はどうしてだろう?と自分を責めたが、今考えると私が連れて行けとも言わなかったし、逆に私に気を使って放っておいてくれたのかもしれない。
それはそれで助かる話だ。 滞在時間が長くなれば、私にも友達が出来て週末出かける用事が増えてくる。
ホストファミリーにいちいち『出かけてもいいか?他に予定はないか?』などとお伺いを立てなくて済むからだ。
お陰で私は、学校で出来た友達と水族館へ行ったり、オークランド博物館へ行ったり様々なことを週末楽しむことが出来た。

私がNZへ渡ったのは5月だった。
5月というと日本では陽気が良くなり、若葉が生い茂り始めてとても良い季節なのだが
南半球にあるこの国は季節が日本と逆である。 そのため、日本でいう秋…と言ったところか。
これから益々寒くなる…それは分かっていたのだが、NZの冬はとても寒かった。 部屋に暖房が無いのだ。
リビングには暖炉があり、大きなストーブもあったのだが部屋にはそれがなかった。 ※他のベットルームにも見当たらなかった。
雨戸も無い、暖房も無い、恐らく日本のような断熱材も入っていない家で過ごすのは、ちょっと辛いものがあった。
ホストマザーにお願いして、毛布を追加してもらった。 確か7枚くらい掛けていたように思う。
羽毛布団なんてない。本当に薄いいわゆる毛布しかなかったのだ。
日本にいるときには母が羽毛布団を用意してくれていた。家族全員夏用と冬用の羽毛布団を持っている。
遠いNZから母に感謝した。 しかし、ここにはそんなすばらしい布団などない。人に世話になっている立場で文句も言えない。

一応バスタブはあったが、普段はシャワーのみ。 それでも、具合が悪くなりかけたときホストマザーが気を使ってくれて
バスタブにお湯を張ってくれた事があった。そのとき初めてNZに来て湯船に浸かることが出来たが、体が温かいうちに布団に入らないと
本当に寒かった…
6月頃、まだ私がホームステイしている最中に伯母夫婦が社員旅行でNZに来たことがあった。
その情報をゲットしたときに私は母に『ロングのダウンジャケットとホカロンを持ってきてくれるよう伯母に頼んで』とお願いした。
私は当初はNZ滞在3ヶ月の予定だったので、そんな荷物になるものは持ってきていなかったのだ。
伯母がオークランドに到着し、久しぶりの再会を喜んでいたときに私はありがたいことに紙袋いっぱいのホカロンとダウンジャケットを受け取ることが出来た。
本当に重かったと思うが、可愛い姪の頼みだと叔父も伯母も旅行中持ち歩いてくれていたものだ。
お陰で私は無事、大した風邪を引くことも無くNZの冬を越すことが出来たのである。

ホームステイは1ヶ月という契約だったので、6月の下旬に私は学校で仲良くなった韓国人の女の子と一緒にフラットを探し出し
ホストファミリーと別れる日がやってきた。 引越しと言っても日本からはバックパックとスーツケースしか持ってきていないので
大した荷物はないのだが、ホストマザーとホストファザーは車でフラットまで送ってくれた。
そして、『寂しいとき、いつでも遊びに来ていいのよ。 お腹が空いたら電話してきなさいね。』と言ってくれた。

その後、私がNZから日本へ帰る1年間ずっとこのホストファミリーは私のNZの家族のような存在で居てくれて
本当に何度も夕食を食べに遊びに行くことが出来るほど、可愛がってもらうことが出来た。
それはまた別の機会に…

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